クメール族の儀式の司会役

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(VOVWORLD) - ベトナム南部メコンデルタに居住している少数民族クメール族は豊かな文化を誇っており、多くの独特な行事で知られています。すべての行事の共通点は、「アチャ(A Cha)」と呼ばれる司会者の主宰の下で行われることです。
クメール族の儀式の司会役 - ảnh 1クメール族の結婚式で司会役を果たしているアチャ(マイクを持っている人)

クメール族の豊かな文化は、「チョルチョナムトメイ」や、「セネドルタ」、「オクオムボク」などコミュニティの行事だけでなく、結婚式や葬儀、長寿の祝い、新築祝いなど家族の行事にも支えられています。司会役を務める「アチャ」はこれらの行事に欠かせない存在です。アチャに認められた人は出家したことがあり、仏教とクメール族の風俗習慣に詳しい人でなければなりません。また、村人に尊敬される威信の高くて口上手な人でもあります。

ビンロン省ビンミン町に住むクメール族の一人ソン・ソフィアさんは、行事を行おうとする家族は尊敬の念を抱いてアチャに頼み、アチャから行事の準備作業に関するアドバイスを受けると述べ、次のように語りました。

(テープ)

「アチャは、村人に非常に尊敬される威信の高い人です。アチャがいなければ、行事を行ってはいけません。アチャは行事の司会役を務めるだけでなく、生活においても村人の模範となっています。」

クメール族の儀式の司会役 - ảnh 2クメール族の葬式

行事によってその工程やお経が異なるので、アチャの指導はとても重要です。アチャはお供え物をどのように置くのかなどを指示するとともに、お経を読むことを指揮します。こうした重い役目を担うため、アチャは、先輩から学ぶとともに、自分でもいろいろ研究しなければなりません。チャビン省ズィエンハイ県に住むアチャのタック・チエトさんは次のように話しました。

(テープ)

「民族の伝統文化を守るために、前の世代からその遺産を引き受けるとともに、自分で民族の伝統文化を研究・勉強することはアチャに求める資格です。」

こうしたアチャの方々は、クメール族の言語を子どもに教えたり、村人に民族の伝統文化の価値を理解してもらうなど、クメール族の伝統文化の保存に大きく貢献しています。チャビン省チヤウタイン県にあるコムポンチョレイ寺の住職タック・スオン僧侶は次のように語りました。

(テープ)

「お寺の管理委員会はアチャの方々からなっています。そのため、アチャはお寺の業務に大きな役割を果たしています。また、村の若者が社会悪を離れていい人になるようにいろいろ教えています。そして、新型コロナが広がっている背景の中で、村人に疫病予防対策の徹底を納得させているという貢献もしています。」

クメール族の儀式の司会役 - ảnh 3子どもにクメール族の言語を教えているアチャ

さらに、アチャの方々は地元の行政府と連携し、村人に国の法律と政策を理解してもらっています。ビンロン省ビンミン町ドンビン村の村長ビティ・バレイさんは次のように話しました。

(テープ)

「アチャの方々は村人に国の法律や政策を遵守してもらうように大きな役割を果たしていますよ。例えば、国が地元で展開されている新農村づくり運動では、アチャの方々の努力により、村人が積極的に参加し、大きな成果を収めています。」

こうしたアチャの方々はコミュニティの模範としてクメール族の人々に尊敬されています。

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