エデ族の生活における壺の価値

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(VOVWORLD) - かつて、壺は7頭から10頭の水牛と同価値でした。

中部高原地帯テイグエン地方に居住している少数民族エデ族は、農業を主たる生計とする民族で、農業に関するいくつもの行事を行います。その中でも、エデ族の行事に欠かせないものは、「チェ」(Che)と呼ばれる壺です。

エデ族の生活における壺の価値 - ảnh 1

「チェ」は日常生活においてコメでできた地酒「ズゥイカン」の入れ物として使われていますが、行事においては、神様を祀る器になります。また、この壺は、結婚の贈り物や、村の掟を守らない時に課される罰金などにもなります。そして、チェは伝統楽器ドラのように、飾り物として家の重要な場所によく置かれています。ドラはその家族の最も神聖なものであるのに対し、チェはその家族の豊かさを示すものです。こうした壺はエデ族にとって貴重な財産です。ダクラク省博物館のガイドホベさんは次のように話しました。

(テープ)

「かつて、チェは7頭から10頭の水牛と同価値でした。ある家族の豊かさ判断基準の目安として、その家族が持っているチェか水牛の数を調べます。さらに、象を所有していれば、その豊かさはもっと増えると考えられました。」

エデ族の生活における壺の価値 - ảnh 2

ダクラク省ブオンホ町に住むイ・ブヒアオ・ムロさんの家を訪れれば、大小のチェがたくさん並んでいることは印象的です。地酒を入れておく壺があれば、空の壺もあります。これらの壺は、チェをエデ族の文化財として大切にしているムロさんが買ったもので、その中で、数千万ドン(日本円で数十万円)の貴重な壺もあります。ムロさんは、かつて村々にはチェがたくさんあったものの、伝統的な行事が少なくなっているので、チェを持っている家族は減っていると述べ、次のように語りました。

(テープ)

「今、4、5種類のチェを20個以上持っています。そのほとんどは最近買ったばかりですが、骨董的で貴重なチェもあります。親から伝わってきたチェは1973年の火事で失ってしまいました。昔のチェはとてもわずかで、買いたくてももうありません。売り手がいれば、すぐ買いもどしますよ。これは、エデ族の貴重な文化財ですから。チェは、伝統行事に欠かせないものであり、地酒ズオイカンの入れ物でもありますので、どうしても保たなければなりません。」

こうしたチェを買ったり、売ったりする時などはその壺を祀る行事を行う習慣が今もなお、残っています。チェはエデ族の人々にとって神聖なものであり、家族の一員として親しいものでもあります。そのため、チェを祀る儀式は、その家族の幸運を祈るとともに、家族の一員を歓迎する意味があります。

儀式は祈祷師の主宰の下で行われます。祈祷師は、山や川の神と先祖を儀式へ招待し、儀式を始めます。また、家族の一員になった意味として、チェに銅製のネックレスにかけます。

儀式後、村人は地酒を入れた壺の周りに座ってお酒を飲みながら、民謡を歌ったり、踊ったりします。その意味で、チェを祀る儀式は、その家族のイベントであるだけでなく、村の重要なイベントでもあります。

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