しかし、北部港湾都市ハイフォン市グエン・ドゥック・カイン通りにある「仁愛」と名づけられた庶民的食堂は、一人分の食事を5千ドンで販売しています。わずか5千ドンですが、栄養たっぷりの美味しい食事がとれます。この食堂の顧客は、主に生活困窮者、身寄りのない高齢者、身体の不自由な人などです。

2人の顧客の話をお聴きください。

（テープ）                       

「私たちの視覚障がい者グループは5人ですが、私だけが弱視で、彼らに食事をしてもらうため、この食堂に来たのです。食堂のオーナーは変わることなく、身体の不自由な私たちを支援してくれ、感謝しています」

「高齢の私に、全く知らない人がこんなに親切にしてくれて感動しています。本当にありがたいです」

トゥイさん（中央）とご主人と娘

食堂のオーナートゥイさんは次のように語っています。

（テープ）

「ハイフォン市の中心地には、多くの家のない人たちがいます。夜になると、彼らは、公園や路上などで寝ています。20年前、子どもが成長してから、身寄りのない高齢者、家のない人のために食堂を開こうと考えていました」

考えの通り、2023年2月にトゥイさんは食堂を開きました。当初は、50人分の料理を作る予定でしたが、大勢の人が訪れたため、80人分の料理を作っていたそうです。現在、トゥイさんたちは毎日平均140人分の料理を作っています。貧しい人が食堂で食事をするときに、恥ずかしいと思わないように、彼らに食事を無料で提供するのではなく、5千ドンと安い価格をつけたのです。しかし、店に来るのが大変な高齢者には、彼らの下に食事を運んでいます。

トゥイさんはさらに次のように語りました。

（テープ）

「以前、私は、ファッション業界で働き、美しい人ばかりと接触していました。しかし、現在、汚れた服を着た貧しい人が私のご飯を食べるのを見て、とても嬉しく思います。恵まれない人々を少しでも助けたいからです」

多くの知り合いは、トゥイさん夫婦が恵まれない人のための食堂を開いたのを知り、コメ、野菜、卵、豚肉などを提供しています。ホンバン区に住むグエン・クアン・ビンさんは、この食堂の食事を他の生活困窮者に提供しました。

ビンさんは次のように語りました。

（テープ）   

「一人当たりの食事をわずか5千ドンで売るのは仁愛の心です。しかし、多くの貧しい人はこの食堂の存在を知らないので、彼らのために食事を提供したいのです。トゥイさんの仁愛の心を広げられるよう、友だちを誘います」

毎日、恵まれない人々に栄養たっぷりの食事を提供するトゥイさんのような食堂がさらに拡大されるよう期待しましょう。