独自アイディアを現実させた優秀職人ファン・ティ・トアンさん

Chia sẻ
(VOVWORLD) -細かい蓮の繊維と特別な手作業で、ハスの繊維は、高級織物になります。現在、ベトナムでは、蓮の繊維で、布を織る唯一の職人がいます。その人の名はファン・ティ・トアンさんで、ハノイ市郊外ミードゥック県フンサー村に住む優秀な職人です。
独自アイディアを現実させた優秀職人ファン・ティ・トアンさん - ảnh 1       写真=toquoc.vn

トアンさんは、4世代にわたって繊維業を営む家族に生まれました。彼女は、幼い頃から、養蚕や絹織りなどの仕事に就いたため、多くの経験があり、伝統的な仕事に詳しい職人となりました。2017年に、トアンさんは、蓮の繊維から、布を織る方法を研究しました。その1年後に、蓮の繊維でスカーフを織れるようになりました。

トアンさんによりますと、蓮の繊維を作るのは面倒な作業だそうです。蓮の茎は、池から採った後に、泥と棘を取り除くため、水で2回も洗います。茎が綺麗であれば、蓮の糸も綺麗になります。茎の表面をナイフで浅く輪切りにして、両手で折って左右に引きます。蓮の断面から細かい繊維を何十本も引き出します。蓮一本の茎から採れる繊維は、細かく切れやすいですので、3~4本を束ねて引き出した糸の上にさら糸を重ねて積むことによって、はじめて織り物に耐える強靭な繊維になるようです。そして、採られた糸を糸車で撚りをかけてから、糸巻きに巻きとり、経糸は整経した後に、機台に移され、緯糸は杼に設置する糸巻きに糸取られます。蓮から取った繊維は植物繊維であることから、繭からとった動物繊維と比べ、弾力がなく、当初は、紡ぐ時に何回も失敗したそうです。

独自アイディアを現実させた優秀職人ファン・ティ・トアンさん - ảnh 2

トアンさんは次のように語りました。

(テープ)

「蓮の茎から取った繊維を織り上げるため、どう紡ぐか?どんな織り機で、またどのように織るかと色々なことについて研究しなければなりませんでした。私自身も、絹織り機から蓮の繊維を織り上げるための織り機を製造しましたよ。」

長さ1.7m、幅0.25mのスカーフを織るためには、4800本の蓮の茎を必要としています。しかし、ベテラン職人なら、一日約200~250本だけの蓮の茎から繊維を引き出します。そこで、そのスカーフを完成させるのは、1ヶ月もかかるそうです。こうしたスカーフの値段は、500万ドン、約2万4千円です。

現在、トゥアンさんが社長を勤めるミードック桑・蚕・繭会社で働いている20人の労働者は、絹織りをしながら、蓮の繊維織りをしています。あるの労働者の話を聞いてください。

(テープ)

「トゥアン社長は、私たちに蓮の糸の織り方を熱心に教えてくれました。ミードック会社に勤めてから、安定した収入を受けるようになっています。私たちはとても喜んでいます。」

一方、トゥアンさんは、更なる多くの人にこの独特な仕事を伝えたい気持ちです。彼女は次のように語りました。

(テープ)

「私は、もっと多くの人にこの職業を伝えたいです。特に、蓮畑がある所に住む農家たちが、蓮の茎から繊維を取れる方法を身に付けるように期待しています。」

約500平方メートルに及ぶ工房の中で、66歳のトゥアンさんは毎日のように、生地の織りに夢中になっています。彼女は、蓮から採った繊維で、スカーフだけでなく、ベトナムの伝統衣装「アオザイ」を作るという夢を持っていますから、その挑戦が期待されます。

ご感想