ハスから生まれた夢

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(VOVWORLD) -ベトナムの人にとってハスの花は特別な思いがあり、日本の桜に近い感覚かもしれません。ハスの花は国の花で、ベトナム航空のロゴマークもハスの花をイメージしています。

ハスは泥水の中で育ちますが、いつも美しくて、よい香りの花を咲かせ、泥臭さがまったくありません。つまり、取り巻く環境の悪い影響を受けず、清潔に暮らしている人生の真理を伝えるかのような植物とされています。

そんなハスが日本で食材となるのはレンコンくらいですが、ベトナムではハスの実、茎、花・根など全てが食材になります。特に、ハスの花の香りを残すハスのお茶は昔からベトナムで人気があるお茶となっています。香りが良いだけでなく、リラックス効果もあります。

ハスの花はベトナムの全国各地で植えられていますが、最も多いのは南部ドンタップ省でしょうね。ドンタップの農民にとって、ハスは経済価値がある栽培作物であるだけでなく、文化面でも特別な価値があります。

ドンタップ省ではハス実、茎、花・根などを食材にした料理はこの地方の特産品となってきました。また、ハスを原材料にして、装飾品、美術手工芸品、ファッション製品なども作り出しています。

ドンタップ省でハスから事業を起こす最初の人は同省出身のゴ・チ・コンさんです。フランス留学帰りのコンさんは近代的な乾燥技術で、「不死のハスの花」を作り出しました。しかし、枯れやすいハスの花を長持ちさせるのは簡単なことではありませんでした。

満開のハスの花を乾燥させる技術に至るまで6ヶ月もかかっています。着色料を使うことにより、コンさんはピンクの色がある乾燥したハスの花を作り出しました。特に、ハスの雄蘂(ゆうずい)の黄色と香りも保たれています。この乾燥したハスの花が9ヶ月から12ヶ月間使用されます。コンさんは次のように語りました。

(テープ)

「私はハス栽培の農民たちが安定した収入を得るため、農民から直接にハスを買い上げます。これにより、農民は安心して、ハス栽培できます」

現在、コンさんはハスから5つの製品を開発しています。その中で、陶器瓶、財布、ベトナムの伝統的衣装アオザイに乾燥したハスの葉を貼るという製品が国内外の消費者に愛用されています。その他、ハスのクッキー、ハスの酒、ハスのお茶、ハスのミルクなどの製品も出荷されました。

最近、コンさんはハスの葉からベトナムの菅笠ノンラーを作ることに成功しました。また、コンさんは高品質の縫製産業向けのハスの糸の生産の準備を完成しました。ハスの糸の販路があれば、収益は乾燥したハスの花のものよりはるかに高いと予測されています。

同じく、ハスを材料にして、事業を起こしていますが、女性ゴー・ゴック・アインさんはハスを材料にして線香を生産しています。アインさんの話です。

(テープ)

「線香を生産するため3つの問題を解決しました。第一はドンタップ省のハスの実の皮を活用すること。第二は子供や風通しが悪い狭い家が使える環境に優しい線香を生産すること。第三は環境にハスの皮から出るゴミがなくなるということです。出身地であるドンタップ省のため、何かよいことができて誇りと思っています」

アインさんによりますと、春の線香のメリットはその原材料のすべてがハスから作られ、化学物質を全く使用しないので、健康と環境に優しいです。

現在、ドンタップ省にはハスを栽培する面積が150ヘクタールにのぼり、タップムオイ県、カオライン県、タムノン県に集中しています。ハスの栽培は農民に多くの収入をもたらしています。

ドンタップ省共産党委員会のレ・ミン・ホアン委員長はドンタップ省は農業構造の再編において、ハスの栽培は非常に重要な意義を持つと述べるとともに、ハスを基にスタートアップする構想の実現に有利な条件を作り出すと明らかにしました。ホアン委員長は、次のように語りました。

(テープ)

「ドンタップ省はこれらの夢を現実に移すことを目指し、安定した原材料のため、ハス畑の再編を行います。その他、ハスの種子をきちんと選ぶと共に、栽培方法が有機栽培の方向に沿って実施しています。これらは農民がハスの栽培を効果的に実施できることに寄与しています」

現在、ドンタップ省にとって、ハスの栽培は地元の人々に安定した収入をもたらすだけでなく、ハスから付加価値が高い多くの製品が作り出されるようになることでしょう。

今日のハノイ便りはハスから出てきた夢についてお伝えしました。では、今日のこの時間はこのへんで失礼します。


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